2月はカノープスが見られる季節です。カノープスとシリウスを1枚の構図に収めることもできます。
カノープスの南中高度は東京で約2度とごく低い空にしか見えません。観測するにはなるべく南で、かつ視界が開けている場所を選ぶ必要があります。この日は房総半島最南端の野島崎灯台のすぐ西にある根本港で撮りました。
根本港は小さな漁港ですが、その西側の根本海岸には海水浴場があり、トイレはそちらを利用できます。付近には写真映えしそうな岩場もありました。そのような写真を撮っている方もいますね。
根本港での星景写真の作例
シリウスとカノープスの共演
まずはカノープスの撮影に挑みました。冬の天の川もぼんやりと見えます。
◆撮影条件
カメラ | Canon EOS 5D Mark IV |
レンズ | EF24-105mm f/3.5-5.6 IS STM |
焦点距離 | 35mm |
絞り | f/4.0 |
シャッタースピード | 15.0秒 |
感度 | ISO 1600 |
フィルター | Kenko スターリーナイト、Kenko PRO1D プロソフトンクリア(W) |
現像 | Lightroom Classic CC |
撮影時刻 | 2021/02/06 21:15 |
全天の恒星で最も明るいシリウスと、2番めに明るいカノープスの共演です。中央上の明るい星がシリウスで、右下の橙色の星がカノープスです。地平ギリギリのカノープスは大気の影響でかなり減光してしまいます。また、夕日が赤く見えるのと同じ原理で赤みを帯びて見えます。南半球で見ると白く明るく見えます。
星座を構成する恒星を「初めて見る」という機会はほとんどありません。そのぶん、カノープスが見えたときはちょっと感動しました。
手前に写っているのは港の堤防です。味気ないところもありますが,漁船の灯りをうまく遮ってくれたので良しとします。
根本港の青く照らされた岩場と星景
港には青い照明があり、それが付近を照らしているため前景は幻想的な青色になりました。
◆撮影条件
カメラ | Canon EOS 5D Mark IV |
レンズ | TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2 |
焦点距離 | 15mm |
絞り | f/2.8 |
シャッタースピード | 15.0秒 |
感度 | ISO 1600 |
フィルター | なし |
現像 | Lightroom Classic CC |
撮影時刻 | 2021/02/06 21:22 |
岩場は海水でぬれていて滑りやすいので入るときは要注意です。カメラを水没させないでくださいね!
漁船と冬の星座
星空を背景に港の漁船を撮影しました。左下の赤い星がカノープスですね。オリオン座やおうし座が船の上に見えます。
◆撮影条件
カメラ | Canon EOS 5D Mark IV |
レンズ | TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2 |
焦点距離 | 15mm |
絞り | f/3.2 |
シャッタースピード | 20.0秒 |
感度 | ISO 800 |
フィルター | なし |
現像 | Lightroom Classic CC |
撮影時刻 | 2021/02/06 21:38 |
根本港の撮影地情報
◆根本港
- アクセスのしやすさ:車◯、公共交通機関△
→道路はよく整備されています。列車・バスでも近くまで行くことができます。 - 最寄りIC・駅:館山道富浦ICから約30分,内房線館山駅からバス
→東京都心からは高速1.5時間、一般道30分。バスは館山駅・千倉駅から約30分。 - 方角:南東~南~南西
- 空の暗さ:◎(とても暗い)
- 地上の明るさ:△(やや明るい) *港の場合
- トイレ:◯
→海水浴場があるためトイレの数は多い。
時間さえあれば根本港の西にある御神根島付近での撮影に挑みたいところです。港そのものは夜でも明るいです。砂浜や岩場まで進むほうがよりよい夜空を見られるでしょう。その場合は日中にロケハンをしておくことをおすすめします。
◆同じ日に野島崎灯台でも撮影しました。車なら10分ほどで移動できるのでこちらもどうぞ。
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