2021年11月18日に食分0.97の「ほぼ皆既月食」が起こりました。東側の低空での月食ということで、今回は東京スカイツリーとの共演を狙って撮影にいきました。場所は隅田川の西岸、遊歩道になっている「隅田川テラス」の一角です。
雲間から撮れた〜!!✨🌙 月食の赤い月と東京スカイツリー!
きれい〜!! pic.twitter.com/F92v1BefjF
— ひかり@関東で星景写真 (@kanto_seikei) November 19, 2021
その日の東京都内は天候が不安な状態でした。それでも幸運なことに「ほぼ皆既月食」の瞬間は雲の切れ目から赤銅色の月を観測することができました。この日は仕事だったのですが、上司に業務を放り投げて参戦したかいがありました。
2021年5月の皆既月食では見事に雲が重なって記念撮影しかできなかったので、それを取り返したという感じになります。
作例と観測場所について情報をまとめておきます。
赤銅色の月と赤い東京スカイツリー
ほぼ皆既月食の瞬間!
◆撮影条件
カメラ | Canon EOS 5D MarkIV |
レンズ | EF24-105mm F/4L IS II USM |
焦点距離 | 78mm |
絞り | f/4.0 |
シャッタースピード | 背景:0.5秒(1/4秒×2枚を比較明合成) 月:1.0秒×2枚+4.0秒×2枚を合成) |
感度 | ISO 400 |
フィルター | なし |
現像 | Lightroom Classic CC,Photoshop CC |
撮影日時 | 2021/11/18 18:02 |
この日のスカイツリーは18時前から真っ赤にライトアップされました。月食とぴったりなライティングに感動しました。
スカイツリーと月の撮影を合わせるには、なによりも位置取りが重要です。月が昇る方角は日によって異なり、また高度も推測するのがかなり難しいです。
今回は「星ナビ」(アストロアーツ)の特集と月の方角がわかる「Sun Position & Sunrise」を駆使して位置取りを検討したところ、次の作例のような狙い通りの構図を撮影できました。このような天体ショーは事前の情報収集が鍵です。
本当はタイムラプスを撮影したかったのですが、雲がほぼ晴れたのは18時前後の5~10分程度の短時間だけでした。ほぼ皆既の瞬間だけ晴れてくれたので欲張りは言えません。
展望台のうえからほぼ皆既の月を撮ることに成功
◆撮影条件
カメラ | Canon EOS 6D(天体改造) |
レンズ | EF70-300mm f/4-5.6L IS USM+Kenko デジタルテレプラスPRO300 2X DGX |
焦点距離 | 600mm |
絞り | f/13.0 |
シャッタースピード | 2.5秒 |
感度 | ISO 3200 |
フィルター | なし |
赤道儀 | Kenko スカイメモS(月追尾) |
現像 | Lightroom Classic CC |
撮影日時 | 2021/11/18 17:56と17:57 |
続いては同時に望遠レンズで撮影していた写真です。左の構造物は東京スカイツリーの低い方の展望台です。
2枚の撮影間隔は約40秒です。天体は意外に早く動いていることがわかりますね。地上の構造物と天体をバランス良く撮影できるのはほんの一瞬です。
今回はポータブル赤道儀「Kenko スカイメモS」の月追尾モードで撮りました。
ポータブル赤道儀を使っていますが、都心では向きを定めることが難しいです。私は三脚をだいたい水平にし、微動雲台で緯度と同じ37度程度にし、だいたい北の方角を向けるだけの雑な位置決めをしています。それでも効果はありますよ。
最大食分の月も撮れた!
◆撮影条件
カメラ | Canon EOS 6D(天体改造) |
レンズ | EF70-300mm f/4-5.6L IS USM+Kenko デジタルテレプラスPRO300 2X DGX |
焦点距離 | 600mm |
絞り | f/13.0 |
シャッタースピード | 背景:2.5秒 月:7.5秒(2.5秒×3枚を合成) |
感度 | 背景:ISO1600 月:ISO 3200、1600、400 |
フィルター | なし |
赤道儀 | Kenko スカイメモS(月追尾) |
現像 | Lightroom Classic CC、Photoshop CC |
撮影日時 | 2021/11/18 18:03 |
1枚めとほぼ同時刻に撮影した、最大食分の月です。ISOを調整して複数枚を撮影しておき、明るい部分は低ISOの画像を、赤銅色の部分は高ISOの画像を用いて合成しました。
食分0.97ということで、ほぼ皆既の月食を見ることができました。月面の模様の映りは、私の実力+この機材ではこれが限界に近いような感じです。別日ですが、明るい満月を同じ機材で撮った作例もあります。これも雲がかかっているのですが。
そろそろ天体撮影用の機材がほしくなってきてしまいます。
隅田川テラスの撮影地情報
撮影場所は駒形橋の西から川沿いに200メートルほど南に行ったところです。
撮影場所は広いので、大人数でも困ることはありませんが、ランナーや歩行者が通るので機材がじゃまにならないように気をつけましょう。
- アクセスのしやすさ:車△、公共交通機関◎
→付近に駐車場が少ないので、公共交通機関で行くほうが無難です。 - 最寄りIC・駅:首都高速6号駒形ICからすぐ,東京メトロ浅草線・都営浅草線・東武スカイツリーライン浅草駅から徒歩約10分
- 方角:東
- 空の暗さ:✕(明るい)
- 地上の明るさ:✕(明るい)
→都心なので星は見えませんが、月の撮影には問題なく使えます。プレアデス星団がギリギリ映る程度です。 - トイレ:◯
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